「春寒くして浴を賜う華清の池、温泉水滑らかにして凝脂を洗う」という一節がある。天下の名湯として世に
知られた華清池を舞台にした白居易の長恨歌である。
玄宗皇帝と楊貴妃は、毎年10月になるとここ華清池へやってきて、春までを過ごした。一日中酒宴を繰り返
し、わが世の春を謳歌したという。甘い蜜月の日々が、そう長く続かないことも知らないままに・・・。